ダウンロード前に確認しておきたい3つのこと
Windows 版の Clash クライアントとして現在主流なのは、Clash Meta(mihomo)コアをベースにしたグラフィカルインターフェースのアプリで、Clash Verge Rev、Clash Plus、FlClash などが代表的です。機能面はほぼ同等で、主な違いは画面デザインと更新頻度なので、どれを選んでも本記事の手順で問題なく進められます。ダウンロード前に次の3点を確認しておくと、後々のトラブル対応にかかる時間を減らせます。
OS バージョンとアーキテクチャを確認する
Windows 10 1809 以降と Windows 11 であれば問題なくインストールできます。64bit 環境では x64 インストーラーをダウンロードしてください。一部のクライアントは Windows on ARM デバイス向けの ARM64 版も用意しているので、取り違えないよう注意しましょう。
ダウンロード元が公式リリースページであることを確認する
インストーラーはクライアントプロジェクトの公式リリースページ、または本サイトがまとめているダウンロードページからのみ取得してください。検索エンジンの広告枠や出所不明なクラウドストレージのリンクからのダウンロードは避けましょう。こうした経路は改ざんされたインストーラーに差し替えられているリスクが高くなります。
サブスクリプションリンクを事前に用意する
インストールが終わったら最初にすることはサブスクリプションの読み込みです。事前に契約先サービスや自前で構築したノードのサブスクリプションアドレスをコピーしておけば、途中でリンクを探すために作業を中断せず、そのまま一連の流れを進められます。
インストール手順:インストーラーのダブルクリックから初回起動まで
クライアントによってインストーラーの形式は多少異なりますが、よく見られるのは .exe 形式のセットアップウィザードか、インストール不要の .zip ポータブル版で、操作の流れ自体はほぼ共通しています。
インストーラーを実行する
ダウンロードした
.exeファイルをダブルクリックし、ウィザードの指示に従ってインストール先フォルダを選び、インストールを完了させます。.zipのポータブル版であれば、日本語や特殊記号を含まないフォルダに解凍してメインプログラムを直接実行するだけでよく、追加のインストール作業は不要です。初回起動時のシステムメッセージに対応する
初回起動時に Windows Defender SmartScreen が「Windows によって PC が保護されました」というメッセージを表示することがあります。これはリリースされたばかり、あるいはダウンロード数が少ないプログラムでよく見られる現象で、インストーラー自体に問題があるわけではありません。対処方法は後述のよくある質問セクションで説明します。
TUN モードに必要なドライバーコンポーネントをインストールする
TUN モード(システムプロキシだけでなく、すべての通信をまとめて処理するモード)を利用する予定がある場合、一部のクライアントは設定画面でネットワークアダプタードライバーのインストールや管理者権限での実行を求めてきます。画面の指示に従って確認するだけでよく、TUN モードを初めて有効にする際は通常クライアントの再起動が1回必要になります。
コアがプログラムと一緒に起動していることを確認する
クライアントのグラフィカルインターフェースはあくまで外側の操作画面であり、実際に通信を転送しているのは内蔵された Clash Meta(mihomo)コアのプロセスです。正常にインストールできていれば、コアはメインプログラムと一緒に自動的に起動し、画面上にコアの動作状況やバージョン番号が表示されるのが一般的です。この状態を確認することが、インストールが成功したかどうかを判断する最初のサインになります。
サブスクリプションを読み込んでノード一覧を確認する
インストールが完了したら、次はサブスクリプションリンクをクライアントに読み込ませ、ノード情報を取得して利用可能なプロキシ一覧を生成させるステップです。
サブスクリプションアドレスを貼り付ける
クライアントのサブスクリプション管理画面や設定管理画面で「新規プロファイル作成」「サブスクリプションの読み込み」といった項目を探し、契約先サービスが提供するサブスクリプションリンクを貼り付けてダウンロードまたは更新をクリックします。プログラムはリモートの設定ファイルを取得し、ノードとルールを解析します。
自動更新の間隔を設定する
多くのクライアントでは、各サブスクリプションに自動更新周期(例えば24時間ごと)を設定できます。ノード情報の期限切れによる接続不能を防ぐため、毎回手動で更新するのではなく、この設定を有効にしておくことをおすすめします。
読み込んだプロファイルに切り替える
読み込みが終わった後は、手動で「適用」または「このプロファイルに切り替える」をクリックする必要があります。この一手間を忘れて詰まってしまう人が多く、サブスクリプション自体はダウンロードに成功しているのに、クライアントが古いプロファイルや初期状態の空のプロファイルを使い続けてしまい、ノード一覧が空のままという症状になります。
設定ファイルにノード情報が正しく書き込まれているかを手動で確認したい場合は、設定ファイルを開いて次のような構造が存在するかをチェックしてください。
proxies:
- name: "hk-01"
type: ss
server: example-hk.example.com
port: 8443
cipher: aes-256-gcm
password: "your-password"
proxy-groups:
- name: PROXY
type: select
proxies:
- hk-01
サブスクリプションリンクから配信されるのは通常1つの完全な設定ファイルで、proxies(ノード)、proxy-groups(プロキシグループ)、rules(振り分けルール)の3つの部分が含まれます。手動で確認する際は、ノードのパラメータを1つずつ照合するのではなく、この3つのセクションに内容があるかどうかを重点的に見れば十分です。
システムプロキシを有効にして接続を確認する
ノードの読み込みが完了しても、実際に Windows のネットワーク通信を Clash に流す設定が必要です。この手順は見落とされがちで、クライアント上ではノードの速度テストが正常なのに、ブラウザでのアクセスは依然として元のネットワークを経由しているというケースがよく起こります。
システムプロキシのスイッチを有効にする
クライアントのメイン画面には通常「システムプロキシ」または「システムプロキシに設定」というスイッチがあり、これを有効にするとクライアントが自動的に Windows のプロキシ設定を書き込み、HTTP/HTTPS 通信をローカルのミキシングリスニングポート(デフォルト 7890)に向けます。
あるいは TUN モードで全通信をまとめて処理する
システムプロキシの設定に従わないアプリ(ゲームクライアントや一部のチャットアプリなどでよく見られます)がある場合は、TUN モードに切り替えるとよいでしょう。ネットワーク層ですべての通信を処理するため、アプリ側がシステムプロキシの設定を読み込むかどうかに依存しません。ただし、クライアントを管理者権限で実行する必要があります。
ノードの遅延を確認する
ノード一覧で現在のプロキシグループ内のノードに対して遅延テストを実行します。正常なノードであれば遅延がミリ秒単位で表示されます。タイムアウトや利用不可の表示が長時間続く場合は、まず別のノードに切り替えて単一ノードの障害を除外し、それでも解決しなければ設定面の問題を検討してください。
実際の接続を確認する
ブラウザで目的のサイトにアクセスするか、コマンドラインで
curlを実行して現在使用している出口をテストします。
curl -x http://127.0.0.1:7890 -I https://www.google.com
タイムアウトや接続拒否ではなく HTTP ステータスコードが返ってきた場合、システムプロキシは正しく機能しており、通信が実際に Clash を経由して転送されていることを示しています。
インストール段階でよくある問題の対処法
以下は、インストールと初回設定の過程で特に多く報告される問題を、発生頻度の高い順にまとめたものです。
SmartScreen がインストーラーをブロックする
Windows Defender SmartScreen は、ダウンロード数が少なく企業向けのコード署名が付いていないプログラムに対してブロックの警告を表示します。これはダウンロード数と署名の信頼度に基づく統計的な判断であり、ウイルス検出の結果ではありません。対処方法は、表示されたウィンドウで「詳細情報」をクリックし、続けて「実行」をクリックすることです。インストーラーの入手元が公式リリースページや本サイトのダウンロードページであれば安心して進めて問題ありません。入手元が不明な場合は、先に出所を確認したうえで実行するかどうかを判断することをおすすめします。
自動起動を設定しても反映されない
クライアントの設定で「自動起動」オプションを有効にしたのに、再起動後にクライアントが起動していないというケースがあります。よくある原因は、Windows の「スタートアップ」アプリ管理でこのプログラムが手動で無効化されている、インストール先のパスに日本語や特殊記号が含まれていて起動項目のパスが無効になっている、一部のセキュリティソフトが自動起動項目を不審な動作として遮断している、といったものです。設定画面で自動起動オプションを一度オフにしてから再度オンにし、あわせてシステムの「スタートアップアプリ」の設定画面で状態が「有効」になっているかを確認してください。
システムプロキシを有効にしてもブラウザでアクセスできない
まず、ブラウザが独自のプロキシ設定を使用していないか確認してください(一部のブラウザ拡張機能や企業の組織ポリシーがシステムプロキシを上書きすることがあります)。次に、クライアントのミキシングリスニングポートが他のプログラムに占有され、デフォルト以外のポートに自動的に切り替わっていないかを確認します。クライアントの設定画面で、実際に使用中のポート番号がシステムプロキシに書き込まれているものと一致しているかを照合するとよいでしょう。
インストール後にコアが起動しない
クライアントの画面でコアが動作していないと表示されたり、繰り返し強制終了したりする場合、よくある原因はインストール先フォルダの権限不足(システムによって保護されたフォルダにインストールしているなど)や、セキュリティソフトがコアの実行ファイルを誤って削除してしまうことです。クライアントは一般ユーザーのフォルダにインストールし、セキュリティソフト側でクライアントのインストール先フォルダを信頼リストに追加することをおすすめします。
TUN モードを有効にした後、一部の社内システムや LAN 内のデバイスへのアクセスに異常が見られる場合は、まずクライアント内の「LAN 直結」やバイパスルールの設定を確認してください。TUN モード全体を一旦オフにして原因を調べ直すのは最初の対応としては避けたほうがよいでしょう。